完調日記5
完調日記(2010/05/17)
テーマは、グッとくる名言を拾ってみよう! である。
前々回、有名なアインシュタインの言葉を紹介しましたね。
その高校生だった時、アインシュタインのことばにグッときた私は、他の偉い人たちも、こうしたグッとくる言葉をたくさん残しているんじゃないかと思ったわけです。それでそうしたことばを拾い読みしてみたんですね。そうしたら、いやぁこれがグッとグッとなんですわ。ほんま。
たとえば、偉い人はみんな、子どもは勉強しろと言うのかと思ったら、いやいやそうではありません。たとえば、大英帝国の文豪シェイクスピアは、
恋人が恋人のところへ行く時は、
学校の生徒が本を離れるときのように嬉しいが、
恋人と恋人が別れる時は、
重い本をさげて学校へ行く時のように悲しい。(『ロミオとジュリエット』)
との言葉を残してます。いやぁ昔っから学校ってのはいやーなもんだったんですね。学校が嫌いな君、安心しよう、君の感覚は正しいのだ。かのシェイクスピアも認めてるぞ。
さらにドイツの哲学者としてあまりに有名なニーチェは、
一日の始まる早朝、清新の気がみなぎって、
自分の力も曙光と共に輝いているのに、本を読むこと―――
それを私は悪徳と呼ぶ! (『この人を見よ』)
おおお!!! 言ってくれるね、ニーチェのおじさん。
やっぱり、朝起きて天気が良いのに勉強するやつぁアホなんだ。
天気が良かったら、ただひたすらに外に行くべし!遊ぶべし!
でも、そんな勝手気ままだけで良いわけないね。
かのルソーは『エミール』でこんなことも言ってるぞ。
子どもを不幸にするいちばん確実な方法はなにか、
それをあなたがたは知っているだろうか。
それはいつでもなんでも手に入れられるようにしてやることだ。
たしかにそうだな。苦労して得た喜びってもんが本当の喜びだし、
その苦労と喜びは、人生を支えてくれるからね。
ということで、やっぱ 勉強しよう、雨の日は。
晴遊雨読、これが今日の結論ということで…。
ちなみに、こうした名言名句集は『ことばの饗宴』(岩波文庫)等、たくさん出ています。
次号につづく。
染谷智幸(そめや・ともゆき)所属は文学部文化交流学科
専門は日本文化・文学(江戸時代)、日韓比較文化・文学
ご存知、まことちゃんの「ぐわっし!」。背景はハナニラの花である。